実際に役立つポイント
商船三井グループは日本初の内航モジュール船「WIND WHALE」を竣工しました。この大型船は洋上風力発電向けの基礎部材を安全かつ効率的に輸送するために設計され、最新のダイナミックポジショニングシステムや電気推進システムを搭載しています。2026年9月から岡山県笠岡市のJFE製造拠点から秋田県の建設現場へ基礎部材を運搬し、国内洋上風力発電市場の成長を支える役
商船三井、内航モジュール船「WIND WHALE」竣工披露

2026年7月29日、商船三井グループは長崎市の長崎水辺の森公園岸壁で日本初の内航モジュール船「WIND WHALE」の竣工披露式典を開催し、約300人が参加しました。この新造船は全長約150メートル、幅約30メートル、13,000重量トン級の大型船で、日本の洋上風力発電向け基礎部材の内航輸送を担います。
内航モジュール船「WIND WHALE」の特徴と技術

「WIND WHALE」は商船三井が発注し、中国の泰州三福重工集団有限公司で造られました。国内の洋上風力発電部材輸送に特化した設計で、以下の特徴があります。
- フラットで広いフラッシュデッキにより、大型貨物の積み降ろし効率を向上
- 船首・船尾にスラスターを装備し、ダイナミックポジショニングシステム(DPS)搭載で風車建設現場での船位保持が可能
- バッテリー搭載の電気推進システムを採用し、環境負荷の軽減に配慮
これらにより、従来の非自航台船と比較して耐候性や安全性、機動性が高まり、風力発電部材の輸送と荷役作業の安全性と効率が向上します。
洋上風力発電産業への貢献

2024年4月、商船三井ドライバルクはJFEエンジニアリングと洋上風力発電用基礎部材の内航海上輸送契約を締結しました。「WIND WHALE」は岡山県笠岡市に新設されたJFEの製造拠点から秋田県などの建設地へ基礎部材を運びます。
国内で洋上風力発電の拡大が進む中、基礎部材は大型でトレーラー輸送が困難なため、モジュール船による海上輸送のニーズが急増しています。商船三井は3700トン級のモジュール船でアジア近海の風力部材輸送実績も持ち、その経験を活かして国内市場の対応を強化します。
現場での課題解決に寄与する内航モジュール船
大型・重量の風力発電部材を多軸台車で船首や船尾から直接積み込み輸送できる点が「WIND WHALE」の強みです。DPシステムにより、風が強い建設現場や港湾での定位置保持が可能で、自己昇降式作業台船への直渡しも視野に入っています。これにより荷役の安全性が高まり、作業時間の短縮にも期待がかかります。
竣工式典の様子と今後の運航計画
式典には約300人が参加し、商船三井ドライバルク社長の平田浩一氏とJFEエンジニアリング副社長の四方淳夫氏が挨拶し、両社の連携による洋上風力発電基礎部材の輸送体制構築を確認しました。
「WIND WHALE」は2026年9月から本格運航を始め、岡山県笠岡市から秋田県の工事現場へ基礎部材輸送を行う予定です。これにより日本初の内航モジュール船による洋上風力部材の輸送サービスが実現します。
商船三井の内航モジュール船事業の今後
商船三井ドライバルクは洋上風力向け以外にも、プラント貨物や大型舶用機器の輸送にモジュール船を活用し、重量貨物の輸送サービスを展開しています。今回の「WIND WHALE」竣工は国内洋上風力市場の成長を後押しする一歩となるでしょう。
今後も商船三井グループは環境負荷軽減を視野に入れた輸送技術の向上を目指し、国内外の洋上風力発電に伴う輸送ニーズに対応していきます。
まとめ:洋上風力発電の新時代を支える商船三井の挑戦
商船三井の内航モジュール船「WIND WHALE」は、日本で初めて洋上風力向けに設計されたモジュール船です。荷役効率や安全性、環境性能を備え、大型で特殊な風力発電部材の輸送に対応します。
この船の稼働は、国内の洋上風力発電産業の成長に欠かせない輸送基盤の整備を進めるものであり、環境に配慮したエネルギーシフトの推進にもつながる重要な動きです。洋上風力に関心を持つ産業関係者だけでなく、持続可能な社会づくりに関わる技術としても注目されます。
参考情報
この記事作成時に確認した主な公開情報です。内容は変更される可能性があるため、最新情報は公式発表などでご確認ください。

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